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函館の西部地区に酔う

このブログでちょくちょく登場する函館。
夜景・海の幸・温泉・城・路面電車・伝統的建築群と、観光名所たる要素がぎっしり詰まった町ながら、なんとなく垢抜けない町。

映画では愛の逃避行先に挙げられ、歌に出てくるのは決まって雪景色。鮪のブランドは大間に取られ、函館は函館だからと、期待の含んだネガティブワードをついつい口にしてしまうけれど、

「本当は、みんな函館を愛してるんだぜ~~」

と、恥ずかしがり屋の函館の人は、絶対口にできないことを、東京の函館ラバーが代弁してやるぜ!と、ただ飲みに行きたいだけなのを隠し隠し、今年に入って既に3回。行けば行くほどじわじわハマる函館の良さを、今回も紹介させてくださいな。

今回も羽田から函館空港へ約1時間。ひと眠りすれば着いちゃう距離感と、ホテル代込みで往復3万ちょいでレンタカー付きだったら、4時間かかって片道2万の新幹線は使わないよね。漁火通りも通らないし。

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漁火通りを車で走ると、「来たぜ函館!」とウィンドウ下げて、海に向かって叫びたくなります。

函館着くと真っ先にやることは、朝ごはん。
いつもは朝市のきくよ食堂を利用しますが、今回は自由市場の市場亭に行ってみました。朝市、中島廉売、自由市場と海鮮を取り扱う市場が町中にいくつもある函館ですが、自由市場は、市内のお寿司屋さんやレストランが仕入れにも使う、鮮度の良い食材が並ぶ活気のある市場です。

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市場亭は、その名の通り市場にある食堂。キャッチフレーズは、「市場が店の冷蔵庫」。注文を受けてから、市場で食材を仕入れてきてくれるそうです。

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店内には、歴代の函館ポスターと、芸能人のサイン色紙が幅を利かせていました。函館人は結構ミーハーで、サイン色紙をよく目にします。

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僕が頼んだのは、イカ・ホタテ・鮪の三色丼。さすが市場が冷蔵庫というだけあって新鮮で、イカは濃い茶色でまだ脈打っていました。

今回の函館旅行の目的は、定期的に発表しているコラム「伝統建築を守るひと」の第三回の取材のため。お腹も満たし、約束の時間まで少しあるので、僕らの聖地西部地区を少し散歩することにしました。

函館の観光案内でよく使われる八幡坂を函館山を背景にしたから撮ってみました。天気がいいのは何より。

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撮影スポットとしても有名な八幡坂上からの景色です。

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この日も観光客で賑わっていました。冬の雪景色もいいですが、この時期のカラッとした青空もいいですね。観光客に交じり、ひとりだけ妙に姿勢のいい中村さん(笑)中村さんの撮影時の姿勢の良さは、いつ見てもぶれがなく、美しい。ジャンケンに勝っても、このセンターはなかなか取れない(笑)

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見返ると、坂の上には函館西高校。函館で西高出身といえば、勉強もできるけど、それだけじゃなく面白い才能を持っていそうなスマートな奴が通う学校というイメージ。有名どころでは、北島三郎や辻仁成が卒業生。

八幡坂は結構急な坂なので、雪が降った日なんかは通うのがきつそうですが、函館の夜景が一望できるなんて、ロマンチックな校舎です。

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元町公園横の石畳で記念撮影っぽく(笑)

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先程の函館西高校前、八幡坂上を横に走る通り、港が丘通りは伝統的建造物が、こんな風に軒を並べています。

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このうちの一軒、旧三浦家住宅は、はこだて町並み資料館として、所有者の方が室内を公開しています。所有者の方が自費で制作した、はこだて「伝統的建造物散策まっぷ」。イラストが細かい!!

あれ!?裏面の上下和洋折衷様式のイラストって、タッケのとこの小森商店???

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タッケとは、このブログによく登場するぶっこみ専務のお父さんの中学時代の同級生。実家の小森商店は、函館最古の擬洋風建築です。弊社の運営サイト「暮らしのタネ」でも紹介していますので、小森商店の詳細はこちらをご覧ください。

小森商店について→暮らしのタネ「伝統建築を守るひと 小森商店」
たっけについて→ぶっさん考論 函館旅情

ここは、かき氷も売っているカフェ。

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1913年(大正2年)築の遺愛幼稚園。ここを卒園したっていうだけでいい思い出になりそう。運営している学校法人遺愛学院は、市内に女子中学校・高校も運営していますが、校舎のいくつかは、重要文化財や登録有形文化財に指定されているようです。

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函館ハリストス正教会。1916年(大正5年)築の国の重要文化財。同じく重要文化財の東京のニコライ堂に拠点をもつ、日本ハリストス正教会の所属。

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見返ると、カトリック元町教会の尖がり屋根。1924年(大正13)年に再建された建物。

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門の前には絵描きのおじさん。もう十何年もここに座り、人間観察をしながら絵を描いているとか。

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こういう雰囲気にはめちゃくちゃ弱いぶっこみ専務。気づいたら、これください。って元気よく。
裏にサインしてくれました。

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さて、そろそろ打ち合わせ時間も迫ってきたので、西部地区に来たら必ず立ち寄る、旧相馬邸の東出さんに挨拶に伺いました。東出さんの運営する旧相馬邸は、函館の名士相馬哲平のお住まい。第1回の伝統建築を守るひとにも登場していただきました。
こちら→ 暮らしのタネ「伝統建築を守るひと 旧相馬邸」

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東出さんにお会いした後は、本日のメインイベント、第3回伝統建築を守るひとの取材に、川越電化センターへ。旧相馬邸からは、日和坂、八幡坂を越え、先程の函館ハリストス正教会の横にある、大三坂を下った角にあります。下の写真の右の建物。

川越電化センターのインタビューは、暮らしのタネに掲載していますので、是非ご覧ください。
暮らしのタネ「第3回 伝統建築を守るひと 川越電化センター」→http://www.kurashinotane.com/archives/1509

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大三坂は、日本の道百選にも選ばれた石畳の坂道。ナナカマドの紅葉がとてもきれいな坂です。ハリストス正教会の角からは道幅が狭くなり、「チャチャ登り」と呼ばれ、ここもまた石畳で風情があるいい坂です。

川越電化センターの川越さんからは、函館についていろいろな話を伺え、かなり充実した時間を過ごせました。函館は近江商人が多いとか、茶の文化とか、3月と9月の年2回開催される「バル街」の話、函館の食文化について等々、興味をそそる話ばかりです。

特に「バル街」は、「旧市街を一夜のバル街に」という魅力的なキャッチコピー。伝統建築のある西部地区が丸ごとバルになるというのだから、これは一度は来ないと!!

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いいもち、甘納豆の赤飯、いか、タチ(白子)の味噌汁、三平汁、赤カブの酢漬けなどなど、耳慣れない食べ物もちらほら。食べさせてあげるからまたおいでのあったかいひと言を胸に抱き、あっという間の楽しい3時間に別れを告げました。

美味しそうな言葉をたっぷり浴び、程よくお腹もすいてきたので、今晩のご飯処、弁天町の弁天寿しへ。

古き良き函館の寿司屋といった佇まい。暖簾くぐって「親父、熱燗頼むよ」ってシーンが似合います。

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とびっこにうずらの卵をのっけた軍艦や、ほっき貝の貝柱の軍艦が美味しかったです。家族経営で、地元の人と代々付き合ってきたといった雰囲気のほのぼのとしたお店です。

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お腹もちょうどよく膨れたので、函館の夜のお決まりコース、タッケのバンブーへ。

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ちくまよバンブーと100円の山盛りポップコーン、コロナとZIMAはお決まりのコース。

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懐かしい写真も発見!というか、いつものところに。ほぼ毎年来ているけれど、いつ来ても変わらない心地よさがあるバンブー。変わるのはお互いの年齢だけ。それがまた、心地よさを増すような。。。

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そういえば、変わるのは、もうひとつあったな。僕ら(主に僕)の体力。はじめの頃は朝まで飲んでいたけれど、この頃は10時くらいで眠くなってきちゃいます。だって、いつも7時台の便だから、朝が早すぎて体力が持たない。。。

グラス持ちながらウトウトしてきたので、今日はホテルに帰ろうかなんて思っていたら、やってきましたぶっこみ専務!
「今回のホテル、いいバーがあるんですよ~~~。ちょっと一杯だけ。」
「でたよ。」(心の中)
あとはお決まりの流れで、気づいたら函館湾が見渡せるバーの中。

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そしたら今度は中村さん、ロマンチックな雰囲気に気をよくしたのか、
「ちょっと町中歩きたくないですか??」
「眠いっちゅうねん。」(私、心の中)

しかし、人間少し気持ちが吹っ切れると眠気も去るようで、
「じゃあ、折角だから大門行こうよ!」と私、声に出して。
「大門だったらいい店ありますよ。」とぶっこみ。
という事で、今夜四軒目の飲み処を探しに、かつての盛り場「大門エリア」に行きました。

ぶっこみ専務のお父上の同級生のお姉さんがやっているという、大門の老舗バー「杉の子」です。

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店主の青井さんのお父さんが始めたバーで、以前は同じ大門でも他の場所で営業していたそうです。

現在のお店は、大正時代に建てられた、かつての中華料理屋を改装したそうです。2階はこんな雰囲気。

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以前のお店も雑誌で拝見。こちらもなかなかの雰囲気。

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隣に座った地元の方とのおしゃべりが弾み、なんだかんだで閉店までお邪魔し、ふと周りを見渡したら僕ひとり。一緒に来たふたりは、眠いからって先に帰っちゃったようで。。。塩ラーメン食べて、ほろ酔い気分で、歩いて帰りました。

お店の規模は小さいけれど、じわっと染み入る深みを感じる函館の飲み処。町も店も人も、共に年を重ねる同志のような心やすさに、いつも魅了されてしまうのです。(先輩方が多いですが 笑)

2日目は、物件の取材などいくつかの予定を済ませ、午後から香雪園へ。

紅葉で有名な香雪園は、北海道唯一の、国指定の文化財庭園。ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで一つ星を取得している名勝で、函館の若人のデートスポットでもあります。元々は岩船家という豪商の別荘だったとか。至る所に豪商の足跡を感じる函館。北洋漁業の全盛期って、想像以上だったんですね。

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紅葉にはまだ早かったようですが、夕日が杉の間から苔を照らしていました。

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なんでかは分かりませんが、函館に来るたびに撮影を始めてしまうふたり。仲がおよろしいことで。あれ中村さん、姿勢がおかしいぞっ!

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今回も、いろいろな人と出会い、おしゃべりし、新しい発見あり、函館に浸ったいい時間を過ごせました。

さて、また次の旅の準備をしないと!

追記
映画、函館珈琲を観ました。やっぱり都会に疲れた男の逃避行先になっていた函館。。。そういうイメージになってしまうのは分からなくもないけれど、都会にゃこの魅力はだせね~~だろ~~くらい強気な感じでもいいのにな。なんて思いました。

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