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いつから人はイスに座るようになったのか?

今日はショートコラムです。

椅子は私たちの生活になくてはならないものです。家や仕事場、公共の施設などありとあらゆるところに椅子はあり、地面に座るよりも椅子に座っていることの方が多い人が大半だと思います。

私たちの生活に馴染んでいる椅子。これはそもそもいつころから使われるようになったのでしょうか?

椅子は驚くほど長い歴史を持っています。

「文明が始まったときから椅子の歴史も始まった」と言われているほど。

大体紀元前4000年前のエジプトが起源と考えられています。当時は四大文明が栄えており、それぞれの文明には頂点となる「王」がいました。

椅子に座るという行為は現代では普通のことですが、古代文明では王などの権力者以外が座ることは許されませんでした。庶民との違いを見せつけるために作られたものが椅子です。その頃の椅子は王の権力を示すために、金や宝石などの装飾が施されたとても豪華なものでした。

古代エジプト文明の象徴であるピラミッドからも豪華絢爛な椅子が多数発掘されています。権力の象徴として生まれた椅子が現代のように生活の一部として使われるようになったのはもう少し後のことになります。

庶民にも椅子が使われ始めるようになったのは紀元前8世紀ギリシャの頃。

ギリシャでは王の独裁ではなくポリスという貴族政治が行われていました。奴隷階級や貴族階級など人々は身分によって区別され、労働の必要がない上流階級は時間をもてあまし、いくつもの学問や文化を生み出しました。この頃発展した学問や道具は現代社会にも大きな影響を与えています。

家具もそのうちの一つ。エジプト文明から入ってきた椅子も改良され普及しました。

ギリシアで使われていた椅子には権力者が使うものとしての椅子もありましたが、庶民用として改良されたものもあります。
ディフロスと呼ばれる椅子には背もたれがなく、折りたたみのできるものもあります。

現在使われている折りたたみの椅子の祖先のようなものです。持ち運びがしやすいため、重宝されていました。足が綺麗なカーブを描いているのが女性用のクリスモス。一般家庭の女性が多く使用していたとされています。

権力の椅子とは違い、実用性なども重視されていたので、こちらの方が私たちの使用している椅子に近いです。椅子はその後、様々な国や文化を経て今日のような私たちが使う椅子となりました。

ヨーロッパなどの西洋化の国々は椅子の普及が比較的早かったのですが、畳の文化があった日本人の生活に椅子に浸透し始めたのは明治頃。ギリシアは紀元前ですので、かなり遅いですよね。

古代日本でも椅子のようなものは出土されていますが、それは作業をする上での腰掛けのようなものですぐに廃れてしまいました。高僧などの一部の権力がある人は椅子を使っていたという文献もありますが、殆どの人たちは座布団などを用いて地面に座っていました。

一般庶民に椅子が普及したのは明治時代の文明開化がきっかけです。
文明開化は欧州の優れた文化を取り入れて国力にしようと積極的に行われたため、欧州文化の一つである椅子も日本に定着したのです。

普段何気なく使っている椅子ですが、現代の椅子になるまでに様々な歴史や文化を経ています。いくつもの機能やデザインが考案され、淘汰されてきました。そのことを頭に入れて椅子を見ると、いつもと違った発見があるかもしれません。

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