風まかせ散歩 近衛町から目白、西池袋へ

前回のブログの続きです。

練馬区立美術館→アダチ版画研究所と続いた、スタート地点以外の行き先を全く決めずに進んだ風まかせ散歩。

アダチ版画で見つけた下落合散歩マップを頼りに、とりあえず車を置いて歩くことに。
出だしからいい感じ。

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東京古典楽器センター。Casa de la guitarra Tokyo Koten Gakki の文字がお洒落。
正面を見ると、道の真ん中に大木が。

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かつて近衛家の屋敷があった時に、玄関先に2本立っていたケヤキのうちの一本だそうです。
近衛邸の解体の際に切られるところを、住民の懇願で保存されることになったそうです。1本は落雷で倒れてしまったとか。

幸田露伴の小石川の家の椋や、世田谷の弦巻のケヤキなど、道路の真ん中に立っている木にはなんとなく愛着を覚えてしまいます。
この道をまっすぐ行くと正面に見えるのは、旧学習院昭和寮(男子寮)です。

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現在は日立目白クラブ。

正面玄関のアーチやスペイン瓦、段々のスカイラインが印象的です。
昭和3年築の都選定歴史的建造物です。

目白の男子寮といえば和敬塾もいい建物ですね。こちらは旧細川邸。

こんな建物が寮だなんて、なんて贅沢。

ため息交じりで建物を一周し、
「さてどうしましょうかね?」
「そういえば、あの徳川の近いんじゃない?」
「徳川ドーミトリー?」

という事で、おとめ山公園から北上し、目白3丁目へ。男子寮から女子寮へ。

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普段国分寺崖線についてうるさい私ですので、この辺りの落合崖線についても書いてみようかと思いましたが、長くなりそうなので、割愛させていただきます。
おとめ山公園は、雑木林っぽく自然が残されていて、ぼけっと座っていても心地よい公園でした。
この辺りを所有していた相馬邸が解体される際に、木々が失われることに憂いた住民により、保存活動がなされたそうです。

近衛のけやきといい、町並みに対する意識が高い地域ですね。
徳川ドーミトリーに着きました。

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33の邸宅と女子寮のある、徳川ヴィレッジという敷地です。

私有地なので立ち入りはできませんが、外から眺めるだけでも、流れる空気の違いが分かります。
もともと尾張徳川家の敷地で、現在は22代のご当主が管理されているようです。

目白の邸宅街の雰囲気に圧倒され、まだ時間あるしどうしましょう?
という事で地図を見ると、明日館近いねという事で、またしばらく歩くことに。
西武線の踏切を渡ると豊島区西池袋2丁目です。

フランク・ロイド・ライトと遠藤新の設計した自由学園明日館。

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中には入れませんでしたが、外観だけでも良さが伝わります。
明日館の前は、婦人之友社社屋

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どちらも羽仁もと子・吉一夫妻が設立したため、この社屋ももしや。。。と思わせるほど、趣があります。
調べてみると、遠藤新の息子、遠藤楽が設計したそうです。

近衛町の目白ケ丘教会も遠藤新の設計ですし、遠藤新に始まって、遠藤楽に終わる何とも不思議な町歩きでした。

行き当たりばったりながら、気品を感じる建築に出会えた、なかなか実のある目白駅周辺。

新宿区と池袋って響きで、敬遠していたような気がしますが、もう少し深く探ってみようかな。

途中で出会った、モダニズム建築っぽい個人宅。
お住いの方に聞いてみましたが、建てた人は不明とのこと。

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う~~ん。新たな発見の予感が!
今回旅したエリアはこんな感じです。

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帰りは寛永堂で羊羹のお土産買って、車返して、駒沢で飲んで、気持ちよく帰宅。
新しい発見もあり、近場ながら味わい深い散歩でした。
あっ、そういえば、志むらの九十九餅忘れてた。

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四方田裕弘
  • 四方田裕弘
  • 1976年生まれ、東京生まれ東京育ちで2人の娘の父です。建物、特に近代建築が好きで、ちょっとした旅行でも近代建築を探し当て、見に行ってしまいます。

    【保有資格】CPM(米国不動産経営管理士)/(公認)不動産コンサルティングマスター/ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士/管理業務主任者/相続アドバイザー