明治村

博物館明治村訪問記-1日目-谷口吉郎と小坂秀雄

前回のブログで、帝国ホテル中央玄関で止まっていた「博物館明治村訪問記」。どことなくこのままフェードアウトしてしまいそうな雰囲気になってきたので、一気に書いちゃいます。

博物館明治村訪問記ー帝国ホテル中央玄関

をじっくり堪能して、16時の閉館まで(訪問した11月は、9時半から16時という限られた時間)に、せめて半分は見ておきたいところ。ですが、備忘録も兼ねているのでまずは明治村について書いておこうと思います。

明治村って??

明治村は、愛知県犬山市に、昭和40年3月にオープンした野外博物館。展示されているのは、主に明治時代に建てられた近代建築といわれるもの。木造・鉄筋コンクリートを問わず、日本の近代化に貢献し都市開発の波に消えていきそうになった建造物が、70近く展示されています。

そのうち、重要文化財は14棟、登録有形文化財は57棟。

殆どが明治のものですが、西園寺公望別邸の坐漁荘(静岡県清水市)と帝国ホテル中央玄関(東京都千代田区)は大正のもの、川崎銀行本店(東京都中央区)は昭和のものです。

明治村

奥に見えるのが、川崎銀行本店。その脇にあるのが明治45年~昭和49年まで隅田川に掛かっていた新大橋。右端は、広島の小那沙美島(現絵の島)にあった灯台。

高度成長期の都市開発による近代建築の解体が進む中、昭和15年に日比谷(帝国ホテルの隣)にあった鹿鳴館の取り壊しを目の当たりにしたことで、近代建築を残したいと考えた建築家の谷口吉郎が、旧制第四高等学校の同窓生であった名古屋鉄道の社長土川元夫と、昭和32年に近代建築の移築・修復・保存をするための財団法人を設立したのが始まりです。

鹿鳴館は明治16年の完成で、取り壊されたのが築58年の時。日本初の分譲マンション昭和31年築の四谷コーポラスが築61年で建替えになることを考えると、建物の活用寿命はあまり延びていないのかな。

昭和前半はまだ明治の人が多かったでしょうから、見慣れていて価値を見出す環境ではなかったのかもしれません。

当初は荒川区南千住も候補地になっていたそうですが、東京スタジアム(野球場)と候補地になったため、名古屋鉄道の用地・財政面の援助により、犬山市に昭和40年3月18日にオープンしたそうです。

その辺りの詳細は、こちらの「博物館明治村 昭和51年 谷口 吉郎 (文),‎二川 幸夫(写真)」にあります。

明治村

村であり博物館であるため、村長と館長がいます。

村長は、徳川夢声・森繁久彌・小沢昭一・阿川佐和子といった文化人芸能人。
館長は、谷口吉郎・関野克・村松貞次郎・飯田喜四郎・鈴木博之・中川武と建築家・建築史家が並びます。

とりあえず建物を見てみよう!

とにかく広くそして数が多いので、一日ですべての建物を回りじっくり堪能するのは絶対に不可能です。ですので入村してからはバスで帝国ホテルへ行き、そこから5丁目→4丁目→3丁目と入口に向かって戻ってくるコースを選択しました。

帝国ホテルの後は、

明治村

内閣文庫(明治44年築-昭和59年解体 築74年:皇居大手門内)と皇居正門石橋飾電燈(明治21年-昭和61年:皇居正門)

その後、上の写真にある川崎銀行本店と新大橋をみて、金沢監獄中央看守所・監房へ

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金沢監獄中央看守所・監房(明治40年築-昭和46年解体 築65年:石川県金沢市小立野)

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聖ザビエル天主堂(明治23年築-昭和42年解体 築78年:京都市中京区河原町三条)

高田小熊写真館で写真を撮り、

明治村

明治村

高田小熊写真館(明治41年築-昭和56年解体 築74年:新潟県上越市本町)
当時は人工照明がなく、外光を如何に採り入れるかに最も苦労したそうです。その為、北側の屋根は全面ガラス張り。豪雪地帯の越後高田で木造、更にガラス張りの天井となると、冬はとっても寒かったのではないでしょうか。

ちなみに、高田はスキー発祥の地でもあり、日本にスキーを伝えたレルヒ少佐の様子も創業者小熊和助は写真に収めています。

大阪にあった芝居小屋の呉羽座。

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呉羽座(明治25年築-昭和44年解体 築78年:大阪府池田市本町)

宇治山田郵便局舎は、伊勢神宮前の角地にあった郵便局。各時代のポストを展示しています。

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宇治山田郵便局舎(明治42年築-昭和43年解体 築60年:三重県伊勢市岩渕町)

その他近代建築を堪能し、1日目は4丁目の半分くらいで閉園の時間になってしまいました。結局この日は半分も観られず。。。

午前はほぼ帝国ホテルにいたのと、それぞれの存在感に圧倒されたのとで、なかなか体力を使う一日でした。

この日の宿は名鉄犬山ホテル。木曽川のほとりに建ち犬山城を望み、国宝の茶室をもつモダニズム建築のホテルです。

明治村

名鉄犬山ホテル(昭和40年開業)
設計は小坂秀雄。日比谷松本楼の創業者小坂梅吉の子で、ホテルオークラ東京の外装を担当した建築家。雰囲気がよく似ていました。

図らずも谷口吉郎から小坂秀雄とリレーする、ホテルオークラをたどる旅の体に(笑)

晩御飯は上坂町のお寿司屋湊さんへ。

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木曽川の反対側各務原市出身のご主人と、東京の代官山出身の奥さまが経営するお寿司屋さん。

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忙しくてお二人で写真を撮る時間もなかったという事で、撮らせていただきました。
明治村に行ったときは、是非訪れてください。

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